2005年12月12日

文庫いろいろ

Posted at 08:45 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

また読書病がやってきました。
この秋冬で買った文庫など。
ミステリー中心。
ずっとご無沙汰だったけど読むと、やっぱり面白いなあ。

「テロリストのパラソル」藤原伊織
「すべてがFになる」森博嗣
「片想い」東野圭吾
「クラインの壺」岡嶋二人
「99%の誘拐」   〃
「記録された殺人」 〃
「エンジェル」石田衣良
「スローグッバイ」〃
「死にぞこないの青」乙一
「脳を知りたい!」野村進
「春の数え方」日高敏隆
「ローズガーデン」桐野夏生
「メン アット ワーク」山田詠美
「なるほどの対話」よしもとばなな×河合隼雄
「恋愛について、話しました」岡本敏子×よしもとばなな
 yoshimotobanana.comシリーズ 8冊

テロリストとFは知人から勧められて読んだ。前者はWHY(何故)、後者はHOW(どのようにして)を解くもの。後者はトリックを純粋に楽しみたい人向け。私のようにWHYも両方楽しみたいタイプには向かない。理系のアタマは永遠に謎です。
片思いはトランスセクシャルをかいたもの。基本的になぞ解きとして話は進むが、読みながら考えさせられる事がたくさんある。男らしさ、女らしさ、その人らしさ、求められる姿と、自分自身の落差について、などなど。
岡嶋氏はストーリーテラー。読んでて引き込まれる。クラインの壺は、10年前の作だがこれが現実に起きてもおかしくないところまでもう進んでいる。短編は仕掛けがいい出来だけにちょっと食い足りない感が残った。他の長編も読みたい。
石田氏は趣味的に当たり外れがあるので買うときはどきどきする。すらりと口当たりのいい文体のせいか推理ものはどうもいつもものたりない。でもスローグッバイみたいな短編はすごくいい。恋愛小説の長編を読んでみたい。まったく関係ないけど、この人の声がすごく好き。
ローズガーデンは以前ハードカバーを立ち読みして、文庫化を待っていたもの。どろっとしたものをさらっと、けれどもリアルに書く。生々しいのが嫌いな人には向かない。
野村氏は以前の脳レポートが面白かったので、続編を待っていた。待望の2冊目。より専門的な内容になっていたが、タイムリーなものばかりで面白く読んだ。心と体の密接なリンクは脳によって制御されている。今一番エキサイティングな生化学分野だろう。
よしもとばななは清涼剤のように、言葉がすっと入ってくる。不器用な人の不器用な生き方が好きなのかも。上手な生き方なんてとうてい真似できないから。
乙一はこの本だけ裏表紙の紹介文で嫌悪感をおぼえて読めずにおいてあった。読んだら嫌な中身ではなかった。なにを書いてもファンタジーになる人だなぁと思った。そしてリアルとファンタジーのバランスが嫌みじゃない。

こうして書きだしてみるとけっこう読んでるけど、日記や対談が多いと読んだ気があんまりしないことが判明。

2005年01月28日

いろいろ

Posted at 21:20 | まいにち , ほんのむし | 0コメント | この記事へ

ママン北海道にいく。

口の中が腫れぼったい。
口内炎ができそう。
気持ちが内側に向いてるとてきめんに体調をくずす。

本を買う。
『うつくしい子ども』石田衣良
『カッティング』レベンクロン
『茶の本』岡倉天心
『悪人正機』吉本隆明/糸井重里

レベンクロンはカウンセラーで、拒食症をあつかった前作が面白かったので集めている。
今読んでいる途中。
石田衣良もまえに買った本がおもしろかったので2冊目。
……が、モチーフ的にもストーリー的にもよかったけれど、いろんな意味で「足りない」感じが残った。
岡倉天心は、デザイナーで尊敬している人が「デザインに関することもかいてあって勉強になる」と言っていたので買ってみる。
『悪人正機』は、以前糸井重里が『ほぼ日刊イトイ新聞の本』で、「吉本さん(よしもとばななの父)は難解な本を書いているけど普段話してることはとてもおもしろくてわかりやすい、だからそれをなんとか引き出して形にしてみたいものだ」と書いていた。それを実現してできた本なのだろう。まだ読んでないけど楽しみ。
こうしてみていると糸井さんは「面白そう、やってみたい」と言葉にしたことは、きちんと時間をかけてでも形にしてきている。変わった人だけどすごいと思う。

2003年12月28日

近頃買った本

Posted at 08:53 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

「クロスファイア」(上・下)宮部みゆき
「死体は告発する」上野正彦
「プラトニック・アニマル」代々木忠
「お料理絵日記」飛田和緒
「三千世界の鴉を殺し」津守時生
「スプートニクの恋人」村上春樹
「アタマとココロの正体」養老孟司
「ハチ公の最後の恋人」吉本ばなな
「浪漫的恋愛」小池真理子

若干不穏な本が混じってます。
「クロスファイア」はシリーズ前作をあいたたた、と思いながら読んだのですが、やはり読後感としてはあいたたた、て感じでした。映画にもなったらしいけど、どうせならこれじゃなく「魔術はささやく」を映画化してほしかったな、などと思ったり。
「お料理絵日記」谷村志穂さんとの1DKクッキンというどたばたお料理エッセイが面白かったので購入。料理は嫌いだけど料理の本は好き。食べることに関心の無い人間を信用することはできないと思う今日この頃。
「三千世界の鴉を殺し」オタク向けのライトノベルだけど、主人公が世の中のすべての女性の理想を担っているので愛著。超絶美形で、容赦なくて、でも大切な人には情が濃くて、人間離れして強くて、でもボケで、にぶくて、手がかかる(笑) こんな男が実際に世の中にいなくてよかった、と心から思う。
「スプートニクの恋人」春樹ファンの知人がどうもこの頃のはイマイチと評していたのを読みながら思い出す。なるほどたしかにいわゆる春樹テイストはかなり薄い。が、逆にそれに助けられて完読。きわめて文法的で正確な文体は溶けた脳みそにかなりよい効果をもたらしたもよう。
「アタマとココロの正体」バカの壁とはどうもソリが会わなかったけれども、専門の科学者・化学者達と対談している前作がなかなか面白かったので購入。なにしろ専門家同士の対談なので、こころなしか難易度がアップしていたような(涙) ものすごく脳みそをフル活用して読みました。脳には可塑性があって、事故などで一部失われた大脳の機能を小脳で補うこともあるんだそうな。アバウトだけどすげー。
「浪漫的恋愛」個人的大ヒット。美しい。愚かな恋、という言葉があるが愚かでない恋などどこにもないのだと思う。

こんな年末(?)です。

2003年10月30日

こまごまと

Posted at 23:16 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

毎日いろいろあるのですが。

神保町にいったら古本祭りやってるとか。
湘南の従兄弟の家にいったとか。
運転もけっこうやってますよー。まだクリアすべき課題は残っていて、それはやはり「とっさの判断」で私が一番苦手な部分だったり。なにかあるとついブレーキを踏んでしまう小心が裏目にでてます。
神保町で前から気になってた「症例A」という本もゲットしましたし。
すずらん通りの紅茶専門店で読破したら、なかなかよく出来てました。
こういう心療内科的な内容はえてしてキワモノ的な雰囲気がただよいがちですがそれはありませんでしたね。とてもリアルな医療の現場が描写されてるせいでしょうか。
心の病と向き合うとき、一番重要であるのは信頼と依存のバランスです。
物語にひきずられたわけではないのですが、私にとって他者との距離や信頼の比重というのはとても悩ましいテーマなので、ついつい軽く心のギアがローに入ってしまってます。

そんなわけで。
イベント目白押しな週末をなんとか気力で乗り切ろうと思います。

2003年07月26日

赤毛のアン

Posted at 03:06 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

モンゴメリの赤毛のアン 松本侑子さんの完訳で読みました。
この年になってあらためて読んでみると、なんというかけなげで一途でかわいいですねぇ、アンって。
愛情が濃くて、昔はぴんとこなかった当時の風俗なんかもしっかり織り込まれてて、興味深かったです。
マシューが死んでしまうシーンなんか、いまさらのように泣いてしまいましたですよ。
ああいうふうに惜しまれて逝ってしまう場面にはほんとに弱い。
銀英伝でもロイエンタールがやられてしまう場面でおお泣きしたし。(わかる人しかわからんネタ)

なにがすごいって徹底的に調べ出した出典がすごいですね。
でも、注釈を気にしないで読んでも十分面白いし、英米文に造詣の深いひとならなお面白いでしょう。
日本では児童文学の趣が強いアンですが、当時は大人の読み物だったというのも納得の一冊でした。

あと今週はレンタルでいろいろ気になってたアルバムを借りてきますた。
どれもこれも今更な感の強いベスト盤を中心に、サザンとかGLAYとか小田和正とかポルノグラフティとか。
エンドレスでぼーっと聞くのによいです。
そうして心をニュートラルに。

2003年07月15日

向田邦子の恋文

Posted at 04:38 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

むかし単行本が出る前に前ふりのようなムックが出て、いくつかのコラムに目を通した後、いつもなら迷わず買うはずのムックを、そのまま棚に戻してしまいました。
単行本も新刊で並んだとき少しだけ開いてみて、そのまま置いてきてしまいました。
たぶんこれからもその本を買うことはないでしょう。

おそらく本当なら墓のなかまでもっていくはずだった彼女のその恋を、興味本位で覗き見る権利など、誰にもないと思うので。

それでも彼女はもういなくなってしまったのだから、残された人の気持ちを思えば、それはそれで仕方のないことなのでしょう。

秘密は秘密のままにしておくのがよいのです。
私は、そう思う。

2002年11月16日

読書熱沸騰中

Posted at 03:35 | ほんのむし | 0コメント | この記事へ

活字中毒なので毎日のようにネットでなにがしか「読む」には読んでいるんだけれど、きちんと印刷された本となるとこれがまた別の話になるわけで。
同じ文字だけれど、やはり紙を読む行為とモニタで読む行為は完全にイコールにはならないらしい。人間は5感で記憶する生き物だから、きっと紙をめくるという行為やその手触り、持っている本の重み、それら全てをひっくるめて「読む」範疇にインプットされてるんだろうね。
かつてパソコンが普及することで、紙の使用率は減るはずだと考えられていた。でも実際ふたを開けてみたらまったく逆だった。パソコンの中のデータを印字するために、さらに紙を使うようになった。
そうやって考えてみると、この先どれだけネット社会が発展しても、本という名の印刷物がこの世から消えてなくなることはないんじゃないかと思う。
これには私自身の願いもかなりの分量で含まれていたりするのだけれど。

ちなみにここ最近増えた本。
○田口ランディ 「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」「スカートの中の秘密の生活」
○小池真理子 「冬の伽藍」「水の翼」「ひるの幻 よるの夢」
○宮部みゆき 「今夜はねむれない」
○田中芳樹 「書物の森でつまづいて……」
○浅田次郎 「勝負の極意」「初等ヤクザの犯罪学教室」(これは人にあげてしまったので買いなおした)
あと、ちまたで噂の「話を聞かない男、地図を読めない女」も買いました。(笑)

明日読む本に困らないのって、それだけで幸せだ。