2002年11月19日
出会う ということ
Posted at 02:43 | まいにち | 0コメント
栗本薫の「仮面舞踏会」に背中を押されて、パソコン通信を皮切りにネットの世界に入ってもう4年だか5年になる。
当時はネットがパソコン通信のクローズドな世界から、インターネットへと移行し、同時にネット世界に入ってくる人数が爆発的に増え始めた過渡的な時期でもあった。
フロンティア、という言葉を思い浮かべてしまうほど、まだ全てが混沌と入り乱れ、そして活気に満ちていて、インターネットにはあらゆる可能性があるように思われていた。
今はインターネットが多くの人の生活に浸透してきたせいで、今までかけられてきた過度の期待や、なじみがない世界ゆえの誤解からだんだん解き放たれつつある。
同時に、現実世界の犯罪もネット社会で頻繁に起っている。テレビはそれがさも特別なことのように取り上げているけれど、実はそうではない。ネットワークの中を渡り歩いているのは、他でもない現実社会の人間たちなのだから、現実社会で起こりうる犯罪はネット社会でも当然起こりうるのだ。
いまだ「インターネットは別世界」だと信じてやまない人たちが、その寂しさと無用心につけこまれて犯罪に巻き込まれていく。
ネットの世界と現実の世界は決して違うものではない。
モニタの向こうにいるのは現実社会の人間で、そして、ネットもまたその人間達が作る社会でしかない。
そのことを決して見誤ってはいけないと思う。
今までネット上のいろんな場所で多くの人に出会って、多くのことを学んできた。
そこには楽しい人も、興味深い人も、許せない人も、困った人も、関わりあいたくない人もいたし、嬉しいことも、幸せなことも、すごく苦しくて悲しい事だってたくさんあった。
その全ては、新しい誰かに出会ったところから始まっている。
ネット社会で何年過ごしても、新しい人と出会うことはエキサイティングで、その楽しみはいまだ色褪せることがない。
出会うことが、出会いを望むことが罪なのではない。
少なくとも出会うことを望むのを罪のように言うのは間違っていると思う。
その出会いを価値があるものにするか、消せない汚点にしてしまうか。
モニタの向こうの相手ばかりでなく、自分自身と向き合うことが、一番大切なことなのかもしれない。